旅メモ ~旅について思うがままに考える~

元鉄道マンの視点から、旅と交通について思うがままに考えたことを紹介します。

シリーズ「駅弁」の旅 浜松駅「浜名湖三ヶ日牛&遠州しらす弁当」

 遠州浜名湖の名産といえば、まず思い浮かべるのは「うなぎ」ではないでしょうか。
 遠州灘に隣接する浜名湖は、よくある湖とは違い海水と淡水が交わる汽水湖なので、栄養も豊富でたくさんの魚や甲殻類といった魚介類が集まっています。スズキやカレイといった天然の魚や、アサリも豊富に獲れるところでシーズンになると潮干狩りもできるようです。
 この汽水湖である浜名湖の特長を生かして、明治時代からウナギの養殖が盛んに行われました。これが、浜名湖の代表的な特産物として世間に知られるようになりました。
 浜名湖の周辺にはウナギ料理を専門に振る舞うお店が数多くあり、脂ののった美味しいウナギ料理を食べることができます。が、最近は輸入品におされて生産量が減っているようです。
 ところで、浜松駅の駅弁といえばやはり鰻弁当が有名です。いまでも浜松駅に行くと買うことができますが、そのお値段はなんと2,000円以上。いまでは鰻は高級な食べ物になってしまいました。
 鰻はさすがにお値段が...という方も多いでしょう。まあ、私も駅の売り場で躊躇したくらいですから(笑)
 そこで、今回は「浜名湖三ヶ日牛&遠州しらす弁当」を紹介します。
 この駅弁。自笑亭という浜松の駅弁を専門にする会社が販売しています。この自笑亭は歴史が古く、創業は1845(安政元)年と江戸時代後期まで遡ることができるようです。
 その後、東海道本線が浜松まで延伸した明治21年には、さっそく鉄道省から駅構内での営業許可を下ろしていることから、既にこの頃には駅弁も販売していたのではないでしょうか。
 これだけ歴史のある駅弁製造を営む自笑亭は、地元浜松の名産をふんだんに使った駅弁を数多く販売しています。もちろん、先ほどもお話しした鰻を使った「濱松うなぎ飯」もこの自笑亭の商品でです。他にも、浜松ゆかりの食材と浜松のゆるキャラをコラボした「出世大名家康くん弁当」や三ヶ日牛を使った「浜松三ヶ日牛弁当」と浜名湖で獲れるしらすをふんだんに使った「遠州しらす弁当」など種類が豊富です。
 今回の「浜松三ヶ日牛&遠州しらす弁当」は、自笑亭の代表的な二つの駅弁を一つに併せた、「一つで二つ分美味しい」というちょっと欲張りな駅弁です。

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 パッケージは駅弁ではあまり見かけない透明プラスチックの容器に入っているので、中身がよく見えます。帯は黒地に黄色い文字で「浜松三ヶ日牛&遠州しらす弁当」と大きく書かれているのでわかりやすいです。

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 二つの駅弁を一つにまとめた欲張りなものだけあって、それぞれがお互いに自己主張(?)するように入っています。斜めに切れ込むような仕切を入れてあるので、両方の味がまざることがないようになっていました。その分、それぞれの味をしっかりと楽しめます。

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醤油ベースのタレで煮込んだ三ヶ日牛は、柔らかく歯ごたえもあります。三ヶ日牛は浜松のブランド牛で、肉質は甘みがありきめが細かいそうです。その肉質を損なうことなく辛くならない程度の味付けがされています。写真では僅かしか見えませんが、ご飯は同じく浜松の名産である三ヶ日みかんの果汁を混ぜ込んだもの。甘酸っぱさが肉の甘みを引き立たせてくれます。

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 しらすは遠州灘で獲れたものを使っています。しらすを釜揚げしたものを、ご飯の上にびっしりとのせてあり、一緒に食べると素朴な味わいが。浜名湖は水産物が豊富で、アサリもたくさん獲れるようです。そのアサリもしらすと一緒に食べることができるのは、ある意味贅沢かも知れません。

 浜松の名産を一度に味わえる「浜松三ヶ日牛&遠州しらす弁当」。お値段も1,030円とお手頃です。浜松で駅弁を買うときに、肉にするか魚にするかで迷ったときは、この駅弁ならどちらも楽しむことができます。それだけに、実は浜松駅の人気商品だというのも頷ける話です。
 「浜松三ヶ日牛&遠州しらす弁当」は、調製している自笑亭の直営売店で買うことができます。直営売店は浜松駅か掛川駅のどちらかで、私は浜松駅のコンコースにある売店で購入しましたが、売店は改札内にもあります。